導入企業の声
現場力の向上と定着に向けた
自主保全士への期待
- マツダ株式会社・本社工場(広島県安芸郡府中町)
- アシスタントマネージャー 金重幸三氏
- 主要製造品目:乗用車・商用車・福祉車両
- 受験歴:2001年度より13年連続、13回目
自主保全活動を通じた3つの技能のレベルアップ
マツダがTPMに取り組み始めて23年、本社工場では工場のあるべき姿を「ストレート生産」とし、各領域の工場で目標と課題を設定して現場力の向上と定着に向けて果敢に挑戦しています。
この現場力の向上と定着を実現するのは工場のメンバーだけではなく、そこに関連する部門の全員参加の活動で行わなければなりません。なかでも生産に携わるオペレーターは一人三役ができるように人材育成に取り組んでいます。
この一人三役とは三人分の仕事をすることではなく、生産に直接必要な「生産技能」、設備に強くメンテナンスできる「保全技能」、職場の問題を知恵と工夫で解決できる「改善技能」の3つの技能を持つことを意味しています。
自主保全活動を通じて、上記の3つの技能のレベルアップを図っています。つまり、職場全員で基本条件、使用条件、良品条件を整備して、ロスを顕在化させ、課題を地道に解決して行くことで現場力の向上と定着が達成できるとわれわれは考えています。そのための知識向上、意識の高揚を図るために自主保全士検定に積極的に挑戦しています。
自主保全士検定試験に向けた対策
本社工場では各種資格の計画的な取得を促進していますが、とくに自主保全士については受験に向けて、各部単位で勤務体制、勤務時間に合わせた、きめ細かな勉強会を企画、実施しています。
また、勤務の都合で勉強会に参加できない人のために、職場のパソコンから直接問題事例を見ながら勉強ができるように、社内イントラネットも有効に活用しています。
さらに、昨年より合格率アップに向けて希望する社員を対象として試験当日と同じような模擬試験をスタートさせました。
模擬試験はできるだけ多くの人が参加できるように休日に開催を行うようにしています。実施時期は試験本番当日の2~3週間前の休日に実施しています。
試験終了後は講師による設問のポイントなどの解説を行い、さらに理解度を上げるようにしたことで合格率は1級、2級とも大幅に向上しており着実に成果を上げてきています。
自主保全士の効果と期待
自主保全士合格者は、職場、サークルの核となって自主保全の推進を行うのはもちろんのこと、若手社員への継承も行っています。その結果、個々のラインでは故障・チョコ停が大幅に減り、設備総合効率が大きく向上しています。
このように自主保全士は、自主保全の考え方、進め方、自工程の設備・品質・安全に強いオペレーターとして着実に成長しているのです。
今後の「ストレート生産」に向けて、自主保全士への期待は非常に高く、さらなる現場力の向上と定着に向けて自己啓発の風土を醸成し、「全員が自主保全士」を目ざして行きます。
※本記事は2014年9月掲載時の情報です。
- 自主保全士を通じたPM意識向上と人間力育成 (リョービ 広島工場)
- 技術部門の自主保全士活用事例 (トヨタ自動車 先進技術カンパニー)
- 自主保全の定着を目指した自主保全士の取り組み (日本特殊陶業)
- 自主保全士にあらずんば、社員にあらず (旭化成ケミカルズ 鈴鹿事業場)
- 自主保全士の活躍の期待 (豊田自動織機)
- 現場力の向上と定着に向けた自主保全士への期待 (マツダ 本社工場)
- 現場力の向上を目指す自主保全活動 (昭和電工 秩父事業所)
- 請負現場のクオリティの向上と人材育成 (日研総業 製造事業部)
- 人材育成強化で設備安定稼働の基盤づくり (住友金属工業 小倉製鉄所)
- 自主保全士を通じて生産活動の基本を継承 (日立金属 桑名工場)
- 製造と保全の連携による自主保全活動 (富士フイルム 神奈川工場)
- 自主保全活動と自主保全士への挑戦 (凸版印刷 新潟工場)