導入企業の声
人材育成強化で設備安定稼働の基盤づくり
- 住友金属工業株式会社・小倉製鉄所(福岡県北九州市)
- 総務部 大谷雅昭氏
- 主要製造品目:鉄鋼製品(棒鋼および線材)
- 受験歴:2001年度より9年連続9回目
- 延べ受験者総数:1級=約190名、2級=約620名
人材育成強化の必要性
当社では、住友金属工業から分社して以降、長期不況局面に疲弊した人材競争力の回復に加え、「2007年問題」と称される急激かつ大規模な世代交代に備えるべく、人材の確保と育成の両面から、とくに鉄鋼製造ライン部門における技術・技能伝承を強力に推進してきた。(2012年1月住友金属工業と合併)
各種資格・免許取得を目標として体系化
その具体的施策の一つとして、社内研修受講や公的資格・免許取得について、所属別および従業員階層別に達成目標を体系化した。
すなわち、受講すべき研修と取得すべき資格等をあらかじめ全従業員に明示することで、各職制はもとより、従業員自らも主体的・計画的に自らの職業能力向上に取り組む職場風土づくりを目指すこととしたのである。
とくに、公的資格・免許取得に関しては、工場見学者通路等に専用掲示板を設けて有資格者を掲出することで、各人の資格取得努力を評価するとともに、各職場における従業員の競争意識高揚を期待している。
自主保全士の位置づけ
こうした取組みのもと、当社では、工場部門に勤務する従業員全員が必ず取得すべき資格として、自主保全士を位置づけている。自主保全士制度の理念である「自分の設備を自分で守れる、設備に強いオペレーター」の育成は、工場自主保全体制の強化により設備安定稼働を目指している当社の方向性とまさに合致する考え方であることから、2001 年度以降、自主保全士受験を毎年継続中である。
資格取得の効果
各職場では、資格合格者を中心に、自己補修・トラブル対応・計画休止時の保全部門スタッフとの調整等における積極的機運の高まりが認められるところであり、今や、当社における工場オペレーター育成体系のなかで、同受験は中堅社員を対象とした整備技能教育の集大成ともいうべき通過点として定着したイベントとなっている。
合格率向上の施策
現在では、受験合格率向上を目指して、協会主催の事前講習会を受講し、社内で受験準備学習会を開講するとともに、協会の指定を受け当社事業所内での受験機会を提供することによって、当社従業員の利便性確保の一助としている。
この間の取組みによって、当社の製造ライン部門従業員約970名のうち自主保全士合格者は約44%を占めるに至っているが、設備安定稼働を支える人材競争力強化の観点より、今後とも積極的に受験者を支援していきたい。
※プラントエンジニア誌2010年5月号に掲載したものを編集して転載しています。情報は当時のものです。
- 自主保全士を通じたPM意識向上と人間力育成 (リョービ 広島工場)
- 技術部門の自主保全士活用事例 (トヨタ自動車 先進技術カンパニー)
- 自主保全の定着を目指した自主保全士の取り組み (日本特殊陶業)
- 自主保全士にあらずんば、社員にあらず (旭化成ケミカルズ 鈴鹿事業場)
- 自主保全士の活躍の期待 (豊田自動織機)
- 現場力の向上と定着に向けた自主保全士への期待 (マツダ 本社工場)
- 現場力の向上を目指す自主保全活動 (昭和電工 秩父事業所)
- 請負現場のクオリティの向上と人材育成 (日研総業 製造事業部)
- 人材育成強化で設備安定稼働の基盤づくり (住友金属工業 小倉製鉄所)
- 自主保全士を通じて生産活動の基本を継承 (日立金属 桑名工場)
- 製造と保全の連携による自主保全活動 (富士フイルム 神奈川工場)
- 自主保全活動と自主保全士への挑戦 (凸版印刷 新潟工場)